マラウイがマドプロ加盟

 

マラウイ共和国が、マドリッド協定議定書(マドプロと呼ばれています)に加盟しました。

2018年12月25日からは、マドプロによる商標の国際出願を使って、マラウイ共和国での商標登録を求めることができるようになります。既に所有している国際登録に、事後指定することも可能です。

 

マラウイって、どんな国?

商標の話しを始める前に・・・・

マラウイ共和国とは、どのような国なのでしょうか。

 

正直マラウイという国については、国名さえ知りませんでした。しかし、今回商標についての情報に接し、駐日マラウイ共和国大使館等のウェブサイトを見ているうちに、その風景の美しさに魅かれ、生涯で一度は訪れてみたい国となりました。

 

アフリカ南部、赤道からそれほど離れていない、内陸部に位置しています。大きなマラウイ湖を含め、国土の20%は湖が占めています。

多くの野生動物が暮らす、美しく豊かな自然にはぐくまれた国のようです。

 

写真では自然の美しさに惹きつけられましたが、残念なことに森林伐採が進んでいるようです。

また近年の異常な雨、干ばつ、エルニーニョ現象等の発生により、飢餓や水不足が深刻な状況のようです。そこで暮らす野生動物たちの生活も心配です。

 

マラウイ共和国の公用語は、英語とチェワ語。

国民の83%が農業に従事する農業国で、たばこ、紅茶、砂糖等の一次農産品が全輸出の8割を占めています。

(出典: 外務省HP マラウイ基礎データ)

 

マラウイで商標を保護するためには

マラウイ共和国で商標権を取得したい場合、2018年12月25日以降は、次の3つの方法から選ぶことができます。

  1. マドプロによる国際出願をして、マラウイ共和国を指定国として指定する (既に国際登録をお持ちの場合は、マラウイ共和国を事後指定することもできます)
  2. マラウイ共和国に個別出願する
  3.  ARIPOによる商標出願をして、マラウイ共和国を指定国として指定する

1のマドプロによる国際出願と、2の個別出願の違いについては、こちらをご参照下さい。

「商標サービス」→「外国での商標出願・マドプロ出願」からでも、開くことができます。

 

マラウイで商標登録をする場合には、この一般的な2つの方法に加え、ARIPO経由で商標登録するという第3の方法があります。

この第3の方法について、以下ご紹介いたします。

 

ARIPOによる商標登録

アフリカ諸国で商標権を取得する場合、アフリカにおける地域的な枠組みとして設けられた広域商標制度を利用するという方法があります。

前述の第3の方法とは、このような広域商標制度を使っての商標登録ということになります。

 

アフリカの広域商標制度についての詳細は、こちらをご覧ください

 

マラウイが加盟している機関は、ARIPO(アフリカ広域知的財産機関)と呼ばれています。

ARIPOは、African Regional Intellectual Property Organization の略称です。

 

ARIPOは、アフリカの主に英語圏の国々によって構成されています。

ARIPOの加盟国は現在19ヵ国ですが、そのうち14ヵ国がイギリス連邦(the Commonwealth)の加盟国です。ARIPOは、元々大英帝国の自治領、元植民地であった国々を主な構成国としているという特徴があることがわかります。マラウイについても、元イギリス保護領で、現在もイギリス連邦加盟国です。

 

ARIPOの加盟国は、現在19ヵ国(2018年12月21日現在)

 

<加盟国>

ウガンダ、エスワティニ(旧スワジランド)、ガーナ、ガンビア、ケニア、サントメ・プリンシペ、ザンビア、シエラレオネ、ジンバブエ、スーダン、ソマリア、タンザニア、ナミビア、ボツワナ、マラウイ、モザンビーク、リベリア、ルワンダ、レソト

 

尚、この19ヵ国中、すべての国でARIPOを使って商標の保護を求めることができるわけではなく、ARIPOによる商標出願において指定できる国は、現在のところ、そのうちの10ヵ国に限定されています。

 

<ARIPOによる商標出願で指定できる国> 現在10ヵ国(2018年12月21日現在)

ウガンダ、エスワティニ、サントメ・プリンシペ、ジンバブエ、タンザニア、ナミビア、ボツワナ、マラウイ、リベリア、レソト

 

マラウイはと言うと、ARIPOによる商標出願で指定国として指定が可能です。

→ より詳しい情報は、アフリカの広域商標制度のページをご覧ください。

 

これらARIPOによる商標出願ができる国のうち、マドプロにも加盟している国は何ヵ国あるでしょうか。

 

・ ARIPOとマドプロのどちらでも商標出願ができる国(10ヵ国中 8ヵ国)

 エスワティニ、サントメ・プリンシペ、ジンバブエ、ナミビア、ボツワナ、マラウイ、リベリア、レソト

 

・ ARIPOによる商標出願はできるが、マドプロには加盟していない国(10ヵ国中 2ヵ国のみ)

 ウガンダ、タンザニア

 

このように、ARIPOによる商標出願ができる国の多くは、個別にマドプロにも加盟しています。

 

今般マドプロに加盟したマラウイでの商標の保護をご検討されている場合には、マラウイ以外の国での商標登録の予定の有無、費用、手続き、効力などを総合的に判断して、どの方法による商標出願とするか決定するとよいでしょう。

 

ご不明な点がございましたら、いつでもご連絡ください。